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近年の地価の高騰とそれに続くバブルの崩壊は、財産について、人びとの考え方を大きく、従来、地主というものは、先祖代々の土地や獲得した土地を守り、子孫に引き継いでいくものとされていた。
ほとんどの地主が、そう信じて疑わず、またそのようにしてきた。
ところが、最近になって事情は急変した。
ただなにもしないで、財産をもっているだけでは、財産を維持することが困難になってきたのだ。
財産崩壊の危機にさらされているのである。
その大きな理由の一つは、世代交代時における相続に起因する。
桁違いの相続税のアップが、財産や事業の子孫へのスムーズな承継を困難にしている。
しかも、資産価値の増大は相続人同士の醜い争いの原因になる。
事情をますます深刻なものにしている。
もう一つの理由は、財産の保有コストの増大である。
一般の固定資産税の高騰はもちろんだが、農地の宅地並み課税制度の導入、特別土地保有税の新設など、保有コストはますます増大する方向にむかっている。
この対策をなおざりにして、財産を維持することはできない。
このように、現代の地主はいままでの地主が経験したことのない難問に直面している。
2この難問を解決するにはどうしたらよいのだろうか?ただ手をこまねいているだけで解決することはありえない。
行動を起こすことが絶対に必要になる。
すなわち、財産の組み替えをして、相続に備え、かつ高収益化をはからなければならない。
だが、財産を動かすと、たちはだかってくるのが税金の問題である。
過大な税務流出があっては、資産運用の効果は削減される。
資産運用は、税金抜きでは考えられない。
実効ある資産運用は、ただ守るだけでなく、積極的に活用し、さらに増殖させていくものでなくてはならない。
そうでなければ、長期的な財産防衛は不可能になっている。
この本が、悩める土地オーナーのためのひとつのヒントになれば幸いである。
不動産は読んで字のとおり、動かない財産である。
不動産は、永く持ち続け子孫に引き継ぐもので、動かすなどということは、考えられないものであった。
従来のこの考え方に、近年大きな変化が起こっている。
その要因の一つに、地価の極端な高騰とそれに続くバブルの崩壊がある。
地価の変動は、経済のみならず、人間の心に大きな衝撃を与えた。
いま一つの要因は、最近のライフスタイルと価値観の変化である。
核家族化によって家族意識が薄れ、人生を個人的にエンジョイしようとする風潮が強くなった。
そのため、不動産をただ持ち続けるだけでなく、人生をより豊かに送るための手段にしようとしてきている。
こうして、多くの人たちが、こぞって資産運用を考えるようになり、手持ちの不動産を動かしはじめている。
そうなると、むずかしいのは人それぞれの生き方の問題だ。
実のところ、人生観抜きにして、有意義な資産運用を考えることはできない。
一つは、地価が上がらないのに、評価額のアップによる固定資産税・相続税の負担が増大していることだ。
ただなんとなく、不動産を保有していることができなくなった。
なにないでおくことは、財産の崩壊を意味する。
財産を守るために、行動を起こすことを余儀なくされてしまった。
もう一つの大きなインパクトは、不動産をめぐる利害関係人のトラブルの発生だ。
従来は、不動産も、それほどの価値はなかった。
固定資産税や相続税も問題にするほどではないし、地代や更新料の紛争を起こすほどの価値はなかったのである。
ところが、最近になって事情は急変した。
地主同士は、境界線の一○センチ、二○センチの問題に血まなこになり、近隣関係は与えている。
近年、不動産オーナーの考え方が変わってきている。
その第一の原因は、なんといっても近年の地価の高騰による財産価値の飛躍的な増大とそれに続くバブルの崩壊である。
二つの意味から不動産オーナーにインパクトをと地主との関係は、地代や更新料でもめ、ギスギスしてくるといった調子だ。
不動産オーナーの考え方が変わってきた第二の理由は、高齢化が進んでいることだ。
高齢化と核家族化によって、家の問題は大きく変った。
老後の面倒を子供にたよることができなくなった。
少子化によることもあるが、それ以上に、子供の負担が大きすぎる。
もはや不動産を守るだけではすまなくなった。
老後、働けなくなったときの財源と収入を確保するための手段として、この不動産を活用しなければならなくなってきたのだ。
第三の理由は、人生に対する価値観の変化である。
従来、先祖代々の土地を守り、無傷で子孫に引き継ぐことが美徳とされた。
「労働」「倹約」「質素」が称賛され、ぜいたくや享楽は非難された。
この考え方にも変化が起こっている。
海外旅行にいく人たちの数は、毎年増え続けている。
短い人生を楽しまなくては、という考え方に変わってきている。
ぼう大な不動産をもってあの世にいけるわけじゃないし、と不動産オーナーたちは、自分の不動産を、生活をエンジョイするための手段にしようとしてきているのだ。
資産運用は、一口にいえば、オーナーの人生観・性格・道徳観・行動パターンといった生き方の総合されたものの中から生じる。
その人が、資産運用の方法を選ぶとき、生き方を無視することはできない。
人生観は、長い間につちかわれたものであり、おいそれと変えることはできないからである。
多くの不動産オーナーから相談を受けるが、その人たちは、だいたい次のようなタイプにわかれる。
このタイプを見きわめた上でないと、資産運用のアドバイスはできない。
第一のタイプは、なんでも現状維持を主張する人である。
先祖代々の土地、自分でやっと手に入れた土地、守り、子供に引き継ぐことを信条としている。
資産運用や、まして売却の話には耳をかさない。
高い固定資産税を黙って払い続け、不動産の低収益化にも耐える。
それなのに、残された人たちに、本人の希望どおり無傷で不動産が引き継がれるとは限らない。
相続税と遺産争いが待っているからだ。
このタイプの人は、生前に、いくら資産運用の必要を説明しても、ガンとして受けつけない。
なんとかなると固く信じている。
時代の変化や税金の高額化に気づいていない。
本人は満足して人生をまっとうしているが、悲惨なのは遺された人たちなのだ。
第二のタイプは、資産拡大をたえず求めている人である。
このタイプは、先の現状維持型とはまったく対称的だ。
常に、不動産をふやすことに専念する。
この人たちは、たいてい他に事業をもっている。
不動産と事業からあがってくる収入は、ほとんど不動産購入のための頭金にあてる。
生活費は、最低限に押さえている。
けっしてぜいたくをし、高級品を買わない。
銀行からは、ギリギリまで借入れる。
購入した不動産は値上りし、担保価値がます。
それを担保に借入れ、次々と不動産を購入する。
不動産の数と借入金の残高は、ねずみ算式にふえる。
気がついたときには、本人は老齢に達しており、死期が目の前に迫っている。
だが、本人は後悔していない。
人生の価値は、いかに多くの財産を残すかにあると固く信じて疑わないからだ。
不動産で成功した(?)といわれる人たちに、このタイプが多い。
第三のタイプは人生享楽型。
相続人に数人の子供がいると、必ず一人くらいは、このタイプにあてはまる。
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